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株式会社ロハス8 発行最終更新 2026年8月4日

卸売・小売DX2026年8月4日

「在庫を数えるために、日曜に店を閉めていませんか」

棚卸しが丸一日かかるのは、数える作業が重いからではありません。探す時間と、帳簿と合わない理由を思い出す時間です。道具を買う前に決めておくことをお話しします。

※ この記事は、複数の事例を参考に構成したモデルケースです。特定の企業を指すものではありません。

年に二回、日曜に人を集めて、朝から晚まで数える。終わるころには誰も口をききません。

岩手県内の、従業員十数名の、卸と小売を兼ねた会社を思い浮かべてください。取扱品目は二千点ほど。倉庫と店と、二階の物置に在庫があります。

棚卸しは、丸一日かかります。

時間がかかっているのは、数える作業ではありません

数えるだけなら、そんなにかかりません。二千点を十人で分ければ、一人二百点です。

時間を食っているのは、探す時間です。

「これ、どこにあるんだっけ」「二階にもあったはず」「先月の入荷分、まだ開けてない箱の中かも」——数えるより探す方が長い。そして探し当てても、また来年、同じところを探します。

もう一つ食っているのが、照合です。帳簿の数と合わない。合わない理由を思い出そうとする。「あれは急ぎで出したやつだ」と誰かが言い出して、そこで十五分止まります。

数える道具を買っても、たぶん変わりません

ハンディターミナル、在庫アプリ、バーコード。ご相談を受けると、たいていこの話から始まります。

でも、これらが速くするのは「数える」ところです。いま長いのは、探すところと、合わない理由を思い出すところです。

道具が効くのは、置き場所が決まっている会社です。

決まっていない会社が同じ道具を入れると、読み取り機を持って探し回ることになります。作業は増えます。

「うちは狭いから、置き場所なんて決められない」

そう言われることが多いのですが、狭い会社ほど効きます。

決めるのは、全部の置き場ではありません。動く上位一割だけです。

二千点のうち、毎週動くのはせいぜい二百点です。この二百点の定位置を決めて、そこには他を置かない。これだけで、探す時間の大半が消えます。残り千八百点は、今までどおり倉庫の奥で構いません。

一度にきれいにしようとすると、途中で挫けます。動くものから、少しずつです。

人が減っていく前提で考える

2024年版の中小企業白書によると、事業の中核を担う人材が「不足」と答えた中小企業は 74.5% でした。四社に三社です。

在庫を探せる人、帳簿と突き合わせられる人。これも中核人材です。その人が辞めたとき、「どこに何があるか」を知っている人が社内にいなくなります。

棚卸しが重いのは、実は人手の問題ではありません。知っている人が一人しかいない問題です。

まず、今週のよく動く十品だけ

いきなり二千点を整理しようとしないでください。

今週出荷した中から、よく動く十品を選ぶ。その十品の置き場所を決めて、紙を貼る。

それだけです。次に誰かが探したとき、聞かずに見つけられれば成功です。見つけられなければ、場所の決め方が悪いということが分かります。それも収穫です。

十品ずつ、月に一度。一年で百二十品の定位置が決まります。動く二百点の半分以上です。

数える会社から、分かる会社へ

棚卸しの目的は、数えることではありません。いくら持っているかを知ることです。

置き場所が決まると、数えなくても、だいたい分かるようになります。そこまで来ると、道具が効き始めます。

順番が逆になっていないか。それだけ、一度確かめてみてください。

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